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麻酔科教授ブログ

就任の挨拶

 平成26年4月1日付けで滋賀医科大学医学部麻酔学講座の教授を拝命いたしました。天方義邦教授、野坂修一教授に続いて3代目となります。
 私は本学の第11期生として卒業し、母校附属病院や関連病院、国立循環器病センター研究所等において臨床・教育・研究に従事してまいりました。この度、伝統ある滋賀医科大学医学部麻酔学講座を主宰することになり、身の引き締まる思いでおります。滋賀医科大学の「探求心に富み、かつ医の倫理を実践できる医師の育成」という建学理念に基づき麻酔学教育,研究と地域医療活動を通じて社会貢献をしていきたいと考えております。
 近年、麻酔科医の大学病院離れは著しく、都市部のブランド総合病院に集中する傾向にあります。臨床医となることは確かに大学病院でなくとも可能です。しかし、大学には大学の良さがあります。其の1つは、リサーチマインド持った臨床医を育む環境だと考えます。麻酔科臨床医において研究の位置づけが相対的に低下し、学位取得のインセンティブも低くなっていますが、臨床の中にある疑問を解決するツールとしての研究が最も身近で価値のあるものに変わりはありません。これまでの経験や技術・知識などを上手く引き出して研究に結実させるようにすることを体験してもらい、医学の進歩に貢献する喜びを感じ取ってほしいと思っています。また、2つ目には麻酔科診療のカバーする範囲や、その分野毎の深化が進み、1つの施設でできることには限界がでてきたということです。 一般手術麻酔に加えて特殊手術麻酔、ペインクリニック(術後急性痛、慢性痛、緩和医療)、集中治療など広範な領域に精通したスペシャリストを抱える大規模病院は多くありません。我々の施設で、それぞれのスペシャリストを教育・養成するシステムを分野毎に構築し、その深化に答えていきたいと思います。そして、そのスキルをもって地域医療の担い手となることが大切であると考えています。
 私はこのような考えを具現化するために個々のキャリアプランを大切にします。そして、それを共有しバックアップしてくれる仲間づくりをしたいと思います。もとより微力ではありますが社会に貢献できる医師を育成することを目指して誠心誠意努力していきたいと思います。そして当講座や滋賀医科大学全体の発展にとどまらず滋賀県の地域医療のおける麻酔科医の活躍を約束できるようにしたいと思います。

2014年5月1日